ネイチャーセンターは、サンクチュアリの拠点として次の目的で設置しています。
・ガン、カモ、ハクチョウ類を中心とした渡り鳥の中継地であるウトナイ湖および美々川をはじめとする勇払原野の自然環境を保全すると共に自然保護活動の拠点をつくる。
・自然とのふれあいの場を提供すると共に自然教育、調査研究活動を行ない、自然保護思想の普及と人材育成活動を行なう。
・日本で初めてのサンクチュアリを実現し、自然保護運動の多様化を促すと共に本来の野鳥公園、自然公園のあり方を提示する。
公益財団法人日本野鳥の会では、ウトナイ湖をはじめとする勇払原野の自然環境を守るため、次の区域の保全に携わっています。
ウトナイ湖とその周辺の湿原や草原、山林:510ha
※湖面は275ha(外周9㎞・平均水深60㎝)
ウトナイ湖は、次の指定がされています。
・サンクチュアリ(日本野鳥の会が1981年に設定)
・国指定鳥獣保護区特別保護地区(1982年に設定)
・ラムサール条約登録湿地(1991年に登録)
・東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップのガンカモ類ネットワークに登録(2002年)
財団法人日本野鳥の会では、ノグチゲラを守るために「野鳥保護基金」を開設し、保護活動を始めました。
野鳥保護基金で野鳥の聖地「サンクチュアリ」を建設することが決まりました。
湖面275haを含む湖周辺510haの自然が国に認められ、守られるようになりました。湿地を守る国際条約「ラムサール条約」への登録申請に必要な国内選定要件の一つでもあります。
後に千歳川放水路計画と名称変更される、ウトナイ湖の源流部を貫く洪水対策の国家開発プロジェクトが始まったのです。
世界野生生物基金の総裁だった殿下が来訪され、「このサンクチュアリは偉大な事業。更に多くの保護区ができるように望みたい」とのメッセージをいただきました。
全国から多くの方が集まり、ウトナイ湖の自然を学び、大規模開発計画からウトナイ湖の自然を守る方法について考えました。
まずは、ウトナイ湖にどのような重要な自然があるのか、この自然を守るために苫小牧市と協力して調べることから始まりました。
調査の結果をもとにして、今後どのように守っていくかの計画を作成しました。
サンクチュアリの活動を資金的に支えていただくためのファンクラブができました。
市民の皆さんや全国の方々の声が国に届いた瞬間でした。
勇払原野に残る弁天沼。周辺には絶滅危惧種が生息し、豊かな自然が残されています。なぜ守る必要があるのか、どの範囲をどのように守れば良いのかをまとめ、北海道知事に提出しました。