北海道の中南部、石狩湾から札幌を通り太平洋に至る石狩低地帯の南部に位置する原野で、苫小牧市、白老町、厚真町、むかわ町にまたがっています。
約35,000年前の支笏火山や18世紀の樽前山などの火山噴出物の上に形成されており、丘陵部から流れる河川や中小の湖沼が点在する平野が広がっています。かつては釧路湿原やサロベツ原野に匹敵する面積がありました。
1953年に4,897haあった湿地が、1985年には約21%の1,033haにまで減少するなど、人の生活や産業の進展とともに、広大な勇払原野の湿地や草原は、その大部分が失われてしまいました。
【出典】矢部和夫. 1997. 勇払平野の湿原地域の変遷.
(財)自然保護助成基金1994-1995年度助成金報告書:79-81
支笏湖から続く丘陵部から流れる美々川や勇払川、夕張山地から流れる安平川や厚真川、日高山脈から流れる鵡川などの河川のほか、海跡湖のウトナイ湖や弁天沼などの湖沼が点在しています。
また、水域の周辺には湿原や草原、森林など多様性に富んだ自然環境が残され、野生生物の重要な生息地になっています。